貸借取引の仕組み

証券金融会社

信用取引制度が開始された1951(昭和26)年当時は、証券会社(現在の金融商品取引業者)の財務基盤は盤石なものではなく、信用取引に必要な金銭や株式等の不足が懸念されました。そこで、信用取引に必要な金銭や株式等を供給する制度として、貸借取引制度がつくられました。

貸借取引による金銭の融資や貸し株業務を主要業務とする特殊な金融機関として証券金融会社が存在します。証券金融会社は、内閣総理大臣の免許を受けています。以前は、日本証券金融株式会社(日証金)、大阪証券金融株式会社(大証金)そして中部証券金融株式会社(中証金)の3社が存在していましたが、東京証券取引所と大阪取引所の市場統合に伴い、2013(平成25)年7月22日に日証金と大証金が合併し、日本証券金融株式会社となりました。

利用方法

貸し付けの申込み

金融商品取引業者は、貸し付けを受けようとする日の3営業日前の日の定められた期限までに証券金融会社に対して貸借取引による金銭の融資及び貸し株式の申込みを行います。

貸し付けの申込みを受けた証券金融会社は、売買成立日から起算して4営業日目に取引所の決済機構(クリアリング機構)を通じて、金融商品取引業者に対して金銭又は株式を貸し付けることになります。実務上では、証券金融会社が金融商品取引業者に代わって、買付代金又は売付株式を取引所の決済機構に直接引渡し、買付株式又は売付代金を受取ることになります。金融商品取引業者との間で買付株式又は売付代金の授受は行われません。

貸付担保金

貸し付けの申込みを行った金融商品取引業者は、貸付日の正午までに、所定の貸借担保金を証券金融会社に対し差し入れなければなりません。貸借担保金は、信用取引における委託保証金と同様の意味を持ち、その金額については、貸付価額の30%となっており、有価証券の代用も可能となっています。

貸借値段

貸借取引は、貸付金額(貸付日の3営業日前の日)の最終値段を基準(貸借値段)として決定されます。貸借値段の変更によって生じた差額(更新差金又は品貸更新差金)は、証券金融会社と金融商品取引業者との間で調整が行われます。この調整方法のことを値洗い制度といいます。

貸借値段の引き下げ:金銭の融資を受けている金融商品取引業者は、更新差金を支払い、貸し株を受けている金融商品取引業者は、更新差金を受取ります。

貸借値段の引き上げ:金銭の融資を受けている金融商品取引業者は、更新差金を受取り、貸し株を受けている金融商品取引業者は、更新差金を支払います。

品貸料(逆日歩)

貸借取引において、証券金融会社では、貸付株数が融資株数を上回ることがあります。そのような状態になった銘柄を貸株超過銘柄といいます。証券金融会社は、貸株超過銘柄の超過株数(不足株数)について金融商品取引業者から金銭融資の追加申込みや貸し株の返済などを通じて不足株数の解消に努めますが、それでも解消されない場合には、外部から不足株数を調達しなければなりません。その際に品貸料逆日歩)を支払った場合には、その品貸料を1株につき何銭という計算により、株式の売り方から徴収し、株式の買い方に支払います。

その結果、金融商品取引業者は株券を借りた顧客(売り方)から品貸料を徴収し、金銭を借りた顧客(買い方)に品貸料を支払うことになります。

 

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