その他の論点

証拠金制度

証拠金所要額

証拠金は、取引を行った日の翌営業日に差し入れなければなりません。決済代金等の債務の履行における担保の意味合いを持ち、万一、債務不履行が生じた場合には、法律上の手続きによらず、取引所及び証券会社等の判断で債務の弁済に充当されます。

証拠金所要額とは、ポートフォリオ全体の建玉について必要とされる証拠金額です。証拠金所要額は、現在、東京証券取引所(指定清算機関であるクリアリング機構)・大阪証券取引所ともにSPAN(The Standard Portfolio Analysis of Risk)システムで計算されます。SPANとは、シカゴ・マーカンタイル取引所が開発した計算方法のことをいい、ポートフォリオ全体の建玉から将来発生すると見込まれるリスクをシミュレートし算定します。

顧客が差し入れている金銭の額が顧客の現金支払予定額を下回った場合は、不足額を現金にて差し入れなければなりません。現金支払不足額とは、先物取引における計算上の損益額および未決済の決済損益額のことです。

【例】長期国債先物を100円で額面金額10億円を買い建て、それに対応する証拠金所要額は1,000万円と計算され、全額を代用有価証券で差し入れました。長期国債先物の清算値段が99.5円に下落し、代用有価証券に100万円の評価損が発生した場合の追加証拠金額はいくらになるでしょうか。なお、証拠金所要額は1,000万円で変動はないものとします。

【解答・解説】
値洗後の差入証拠金=現金+代用有価証券
=0円+(1,000万円-100万円)=900万円
計算上の損益額=(99.5円-100円)×1億円÷100円×10単位=▲500万円
先物決済損益等=0円
受入証拠金=値洗後の差入証拠金+計算上の損益額+先物決済損益等
=900万円-500万円+0円=400万円
証拠金余剰額及び不足額=受入証拠金-証拠金所要額
=400万円-1,000万円=▲600万円

現金余剰額及び不足額=差入証拠金の現金+計算上の損益額+先物決済損益等
=0円-500万円+0円=▲500万円
したがって、証拠金不足額の発生により600万円を差し入れなければなりません。なおそのうち500万円は現金で差し入れる必要があります。

立会外取引(立会市場外の市場における売買)

立会市場外において取引所の定める数量以上で同一限月取引の売り付けと買い付けを同時に行う取引のことを立会外取引といいます。国債先物取引及び株価指数先物取引とも、同一取引参加者内での対当取引及び異なる取引参加者間での取引を行うことができます。

なお、東京証券取引所の立会外取引はToSTNeT取引、大阪証券取引所の立会外取引はJ-NET取引と呼ばれます。

ギブアップ制度

注文の執行業務とポジション・証拠金の管理といった清算業務を異なった取引参加者に依頼することができる制度のことをギブアップ制度といいます。顧客、注文執行参加者及び清算執行参加者の3者間でギブアップ契約書を締結することにより利用可能となります。注文を複数の参加者に委託した場合でも、その建玉の管理を特定の参加者に集中させることができ、証拠金管理の効率化などに役立っています。大阪証券取引所では2007年5月から、東京証券取引所では2008年1月から導入されました。

 

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