経済動向

関連統計

経済動向を正確に把握するためには、経済の動きを経済成長と景気循環に分けて考えます。

経済成長

経済成長をもたらす要因には、供給要因と需要要因の2つがあります。供給要因とは、企業がモノを生産するために投入する労働力・設備・原材料という生産要素を手に入れる要因のことをいい、需要要因とは、企業が生産したモノが売れるための要因をいいます。

景気循環

景気循環とは、経済状態の好・不況の波が交互に繰り返す動きのことをいいます。景気循環は、GDPギャップ(実際のGDPと潜在GDPとの差)で表わされます。潜在GDPとは、労働力、資本を平均的に利用した場合の生産水準と定義されます。

景気関連統計

景気動向指数
内閣府は「景気動向指数(CI)」と呼ばれる指標を作成し、毎月公表しています。景気動向指数は、景気に先んじて動く先行指数、一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数の3つの指数があります。
1.先行系列(11系列)
・最終需要財在庫率指数
・鉱工業用生産財在庫率指数
・新規求人数
・実質機械受注(製造業)
・新設住宅着工床面積
・消費者態度指数
・日経商品指数(42種総合)
・マネーストック(M2)
・東証株価指数
・投資循環指数(製造業)
・中小企業売上げ見通しD.1

2.一致系列(10系列)
・生産指数(鉱工業)
・鉱工業用生産財出荷指数
・耐久消費財出荷指数
・所定外労働時間指数
・投資財出荷指数
・商業販売額(小売業、前年同月比)
・商業販売額(卸売業、前年同月比)
・営業利益(全産業)
・中小企業出荷指数(製造業)
・有効求人倍率

3.遅行系列(6系列)
・第3次産業活動指数
・常用雇用指数
・実質法人企業設備投資
・家計消費支出
・法人税収入
・完全失業率

日銀短観日本銀行が、企業経営者に対して企業の景気の現状をどう捉えているかのアンケートを調査し、3ヵ月に1度の割合で公表している指標を全国企業短期経済観測調査(日銀短観)といいます。

消費関連統計

日本経済における最終需要の中で、民間最終消費の占める割合は約6割であり、大きなウェイトを占めています。消費支出を決定するものは、所得の増減と消費性向の変化ということになります。

所得:雇用者報酬+財産所得(利子配当等)+混合所得(個人企業の利益)+社会保障給付

可処分所得:所得-所得税等-(健康保険料+年金保険料+雇用保険料等)

家計貯蓄:可処分所得-消費支出

家計貯蓄率:家計貯蓄÷可処分所得

消費性向:消費支出÷可処分所得

住宅関連統計

住宅の購入は、GDPでは住宅投資として計上されます。住宅投資は、投資額も非常に大きいため、景気の変動に対して敏感に反応します。住宅関連統計としては、GDP統計の民間住宅投資と国土交通省の住宅着工統計があります。前者は進捗ベースで表わされ、後者は工事着工ベースで表わされます。

よって、後者の統計である新設住宅着工戸数は、景気変動に先行して動く傾向があるため、景気先行指標として利用されています。

雇用関連統計

雇用システムは、経済成長と景気循環に大きく関連します。雇用関連統計には、完全失業率と有効求人倍率等の指標があり、厚生労働省及び総務省から発表されています。
1.完全失業率
完全失業率は、就業者以外で調査期間中に求職活動をしたが、仕事ができなかった者を完全失業者といい、その人数の労働力人口(就業者+完全失業者)に占める割合をいいます。雇用者の解雇は企業にとって、最後の手段として実施されるため、完全失業率は景気動向指数の遅行指数とされています。

完全失業率=(完全失業者数÷労働力人口)×100

2. 有効求人倍率
有効求人倍率は、求職者1人当たりに対する仕事の数を表しています。有効求人倍率が1を上回れば、求人がみつからない企業が多く、有効求人倍率が1を下回れば、仕事がみつからない人が多いことを表します。有効求人倍率は、景気動向指数の一致指数とされています。

有効求人倍率=求人数÷求職者数

3.労働生産性
労働生産性は、労働投入量1単位当たりの生産量のことをいいます。この上昇は、経済成長にとってプラスに働きます。

労働生産性=生産量÷労働投入量(就業者数×年間総労働時間)

4.単位労働コスト
単位労働コストは、生産量1単位当たりにかかった労働コストのことです。

単位労働コスト=(時間当たり賃金×就業者数×年間総労働時間)÷生産量

物価関連統計

1.企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)
企業間で取引される中間財の価格であり、国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数がありますが、通常、国内企業物価指数を指します。日本銀行により毎月発表されています。

2.企業向けサービス価格指数(CSPI:Corporate Service Price Index)
企業間のサービス価格を把握するための指数です。日本銀行により毎月発表されています。

3.消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)
家計が購入する各種の消費財やサービスの小売価格についての指数です。総務省により毎月発表されています。

4.GDPデフレーター
GDPに計上される財・サービスの価格を指数で表したものです。内閣府より発表されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

経済とGDP(国内総生産)

次の記事

国際収支