オプション取引の仕組み

概要

オプション取引とは、ある商品(原証券)を将来のある期日(満期日)までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ定められた特定の価格(権利行使価格)で買う権利(コール・オプション)、又は売る権利(プット・オプション)を売買する取引のことです。

それぞれの権利に対して付けられるオプション価格のことをプレミアムといい、権利の買い手はオプション料であるプレミアムをその権利の売り手に支払うことになります。

オプション取引のタイプ

1. アメリカン・タイプ:満期日前にいつでも権利行使をすることができます。

2. ヨーロピアン・タイプ:満期日のみ、権利行使をすることができます。

コール・オプション

コール・オプションは、原証券を権利行使価格で買う権利のことをいいます。コール・オプションの買い手は売り手に対してプレミアムを支払います。仮に原証券の価格が満期日までに権利行使価格を上回った場合には、買い手はその権利を行使することによって割安な価格で原証券を購入することができますので、購入後すぐに売却すれば売却益を計上することができます。反対に原証券の価格が満期日までに権利行使価格を下回った場合には、権利を放棄することになり、その場合には売り手に支払ったプレミアム相当の損失が生じます。

【例1】現在の株価が200円である甲社株式の購入を考えているA氏は、まとまった資金がないために、権利行使価格が300円、満期日が1ヵ月後の甲社株式のコール・オプションをプレミアム10円で10,000株分購入しました。満期日になり、甲社株式の株価が400円になったので、A氏は権利を行使し、取得した甲社株式をすぐに売却しました。この場合の損益は次のように計算されます。

当初の支出(プレミアム支払分):10円×10,000株=10万円

権利行使による利益:(400円-300円)×10,000株=100万円

全体の損益:100万円-10万円=90万円(利益)

甲社株式を現物で購入した場合には、200円×10,000株=200万円の資金が必要であったにもかかわらず、10万円のプレミアムを支払うことによって1ヵ月後に90万円の利益を得ることが出来ました。

仮に甲社の満期日の株価が200円であれば、権利行使をする必要性がありませんので、買う権利を放棄することになります。この場合の損失はプレミアムの支払分である10万円に限定されます。

【例2】上記、【例1】のコール・オプションの売り方は、甲社株式を300円で購入できる権利をプレミアム10円で10,000株相当売却しました。満期日に400円になったので、買い方が権利を行使したことにより、売方は当初の契約通りに300円で譲渡する義務を負うことになります。この場合の損益は次のように計算されます。

当初の収入(プレミアムの受取分):10円×10,000株=10万円

買方権利行使による損失:(300円-400円)×10,000株=▲100万円
全体の損益:▲100万円-10万円=▲90万円(損失)

買い方が権利行使をすることによって、売り方は満期日に90万円の損失を計上することになります。仮に甲社の満期日の株価が200円であれば、買い方は権利を放棄することになります。この場合、売り方はプレミアムの受取分である10万円を限度とした利益を得ることになります。売り方はプレミアム相当のお金を契約当初に受取ることが出来るメリットがある反面、相場によっては損失の限度がない、というデメリットを合わせ持つことになります。

プット・オプション

プット・オプションは、原証券を権利行使価格で売る権利のことをいいます。プット・オプションの買い手は売り手に対してプレミアムを支払います。仮に原証券の価格が満期日までに権利行使価格を下回った場合には、買い手はその権利を行使することによって利益を獲得することができます。

反対に原証券の価格が満期日までに権利行使価格を上回った場合には、権利行使を放棄することになり、その場合には売り手に支払ったプレミアム相当の損失が生じます。

【例3】乙社株式の現在の株価は1,200円です。B氏は乙社株式の株価は今後下落するだろうと予想しています。そこで、権利行使価格900円、1ヵ月後に満期が到来する乙社株式のプット・オプションをプレミアム50円で10,000株分購入しました。その後、B氏の思惑通りに乙社株式の株価は下落し、満期日時点の乙社株式の株価は700円になりました。よって、B氏は権利行使し、乙社株式を権利行使価格の900円で売り付けました。そのときのB氏の損益は次のようになります。

当初の支出(プレミアムの支払分):50円×10,000株=▲50万円

権利行使による利益:(900円-700円)×10,000株=200万円

全体の損益:▲50万円+200万円=150万円(利益)

B氏は、50万円のプレミアムを支払うことによって1ヵ月後に150万円の利益を得ることが出来ました。
仮に乙社の満期日の株価が1,000円であれば、売る権利を放棄することになります。この場合の損失はプレミアムの支払分である50万円に限定されます。

【例4】上記、【例3】のプット・オプションの売り方は、乙社株式を900円で売却する権利をプレミアム50円で10,000株相当売却しました。満期日に乙社株式の株価が700円になり、買い方が権利行使したことにより、売り方は当初の契約通りに900円で購入する義務を負うことになります。この場合の損益は次のように計算されます。

当初の収入(プレミアムの受取分):50円×10,000株=50万円

買方権利行使による損失:(700円-900円)×10,000株=▲200万円

全体の損益:▲200万円+50万円=▲150万円(損失)

買い方が権利行使をすることによって、売り方は満期日に150万円の損失を計上することになります。仮に乙社の満期日の株価が1,000円であれば、買い方は権利を放棄することになります。この場合、売り方はプレミアムの受取分である50万円を限度とした利益を得ることになります。

原証券価格と行使価格

オプション取引では、買い方が権利行使及び権利放棄の選択権を持っています。買い方が権利行使したときに手に入る金額がプラスの状態をイン・ザ・マネー、権利行使しても何も手に入らない状態をアウト・オブ・ザ・マネーそして原証券価格と行使価格が等しい状態をアット・ザ・マネーといいます。

オプション取引の特徴

1. 少額の資金で取引を行うことができます。
オプション取引は、現物取引と比較して少額の資金で取引に参加することができます。また、売り方は現物の保有なくプレミアム相当の資金を手に入れることができます。

2. レバレッジ効果
オプション取引は少ない資金で大きなリターンを得ることができます。

3. リスクの限定及び回避効果
オプション取引の買い方は、仮に当初の相場予想が外れて権利放棄をすることになっても、損失はプレミアム支払分に限定されます。売り方はプレミアムを受取ることによって現物の価格変動リスクを受け入れることになります。

4.  様々な損益パターンの作成
様々なオプションを組み合わせることで現物取引では不可能な損益パターンを作成することができます。

 

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