デリバティブ取引

概要

デリバティブとは、株式や債券などを原資産としたもの、及び金利や為替などを参照指標とする金融取引又は金融商品のことをいいます

金融商品取引法における金融資産及び金融指標

(1) 金融商品(第2条24項)
① 有価証券
② 預金契約に基づく債権や権利又は当該権利を表す証券や証書
③ 通貨

(2) 金融指標(第2条25項)
① 金融商品の価格又は利率等
② 気象庁その他の者が発表する気象の観測の成果に係る数値
③ 事業活動に重大な影響を与える指標又は社会経済の状況に関する統計の数値
④ 前記(a)から(c)までに掲げるものについて算出した数値

金融商品取引法では、有価証券や株価指数などを原資産とするデリバティブ取引だけではなく、金融指標に係るデリバティブ取引も対象とすることによって、広い範囲のデリバティブ取引の規制を行っています。

デリバティブに関する規制

金融商品取引法においては、デリバティブ取引に関する下記の規制を設けています。

(1) 店頭デリバティブは、特に高い専門性を要求され、かつリスクも高いため、それらを扱うには第一種金融商品取引業登録を必要とします。

(2) 第二種金融商品取引業者は、有価証券に係る市場デリバティブ取引(外国市場デリバティブ取引を含みます。)以外の市場デリバティブ取引を扱うことができますが、店頭デリバティブ取引を扱うことはできません。

(3) 特定投資家(プロ)と一般投資家(アマ)を区分し、一部の特定投資家を相手方として行う店頭デリバティブ取引は金融商品取引業の範囲から除かれます。

(4) 特定有価証券等に係る売買のほかに、特定有価証券に係るデリバティブ取引(CDS等のクレジット・デリバティブ)等も内部者取引(インサイダー取引)規制の対象となります。

(5) 顧客から取引証拠金として預託を受けた金銭又は有価証券を、自己の固有財産と分別管理しなければなりません。

デリバティブのリスク

カウンターパーティ・リスク

カウンターパーティとは、デリバティブ取引においてその取引の相手方のことをいいます。カウンターパーティの信用リスクのことをカウンターパーティ・リスクといいます。

市場取引では、取引の形態が定型化及び標準化されているとともに、証拠金や追証(マージン・コール)などの制度が整備されているため、市場デリバティブにおいては、カウンターパーティー・リスクを考慮する必要はほとんどありません。

一方、店頭デリバティブ取引は相対取引で行われるため、必然的に取引先がデフォルトに陥った場合に被る損失が存在します。このような潜在的に生ずるリスクがカウンターパーティ・リスクです。

マーケット(市場)・リスク

債券や株式等といった原資産の価格変動又は、金利や為替等の予測できない変動から生じるリスクのことをマーケット(市場)・リスクといいます。マーケット・リスクは、ペイオフ及び付帯条項が同一であれば、市場デリバティブと店頭デリバティブにおいてリスクの違いはありません。

流動性リスク

店頭デリバティブは、相対取引で行われるため、顧客ニーズに沿ったオーダーメイド的な要素を含んだオプション(エキゾティック・オプション)を内包しているものが多いため、店頭デリバティブは市場デリバティブと比べ、流動性が低いといわれています。流動性が極度に枯渇すると需給バランスが悪化し、取引が行えない市場状況になります。このことは、信用収縮に起因しますので、流動性リスクと信用リスクは不可分な性質があります。

店頭デリバティブのリスク管理

店頭デリバティブ取引では、市場リスク信用リスク及び流動性リスクの3つが特に重要視されます。

市場リスク管理

デリバティブを単体のポジションで持っている場合には、市場リスクが最大のリスク要因となります。この場合には、様々な取引戦略及び他のデリバティブを合わせて、これをヘッジすることによって、市場リスクをゼロ近くにすることが可能です。

信用リスク管理

信用リスクから未実現収益を保全するために、担保を設定したり、追加的な担保の差し入れを要求するなどの方法をとることもあります。また、カウンターパーティ・リスクをヘッジするために、CDSなどのクレジット・デリバティブが用いられることもあります。

流動性リスク管理

店頭デリバティブの市場参加者は、投資銀行及び証券会社等の金融商品取引業者のようなプロが大部分を占めています。流動性リスクについては、取引戦略などにも依存しますが、流動性の低い状況では流動性リスクを勘案しつつ保守的に評価することが望ましい場合があります。

 

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