企業業績とGDP(日経ヴェリタス11月5日~11日記事)

国内総生産(GDP)

国内総生産(GDP)とは

GDPは、「一国の経済活動によって生産された財及びサービスなどの価値(付加価値)の合計」と定義されます。GDPのうち名目GDPは、その年度の経済活動水準を市場価格で評価したものであり、実質GDPは、名目GDPから物価変動分を取り除いたものです。GDPは一国の経済活動を通じてということですので、日本の中での経済活動に限定されます。つまり、日本企業でも海外で生産された財については、GDPには反映されないことになります。

GDPは、生産、分配、支出という側面から捉えることが出来ます。いわゆる三面等価の原則といわれ、GDPは、生産面=分配面=支出面という等式で表されます。

分配面のGDP

企業は、資本を調達し、そして労働力を調達しながら財を生産していきます。よって、生産された財である付加価値は、調達した資本や労働力に対する対価を提供しなければなりません。調達した労働力に対しては「賃金」という対価が支払われ、調達した資本に対しては、「利子」や「配当」といった対価を支払うことになります。付加価値からそれらを差し引いた残りは、「内部留保」として企業内部に留まります。分配されたものを受け取る側にとっては、所得を得ることになります。つまり、GDPは家計及び企業の所得の合計に等しいことになります。

支出面のGDP

家計所得は、一部が財の購入等で消費され、残りが貯蓄されることになります。内部留保としての企業所得は、設備投資や研究開発などの投資に回されることになります。企業の内部留保だけでは賄いきれない場合には、借り入れ等で資金を調達することになります。そしてこの借り入れ等の源泉は、家計の貯蓄なのです。つまり、家計や企業の所得は、最終的に財やサービスの購入として使用されるのです。

企業業績とGDP

ここ最近の日経平均株価の上昇を牽引しているのが、日本企業の好業績です。日本企業が好業績であれば、名目GDPもそれに連動して伸びていかなければならないにもかかわらず、企業業績ほど伸びていないのが現状です。

これは、企業業績の拡大が海外経済によってもたらされていることが背景にあります。企業が獲得したもうけを国内設備や人件費に使う割合も低下傾向にあります。この背景には、いわゆるキャッシュフローの使い道が海外投資や内外のM&A優先になっていることがあります(日経ヴェリタス11月5日~11日)。

分配面のGDPで確認したように、GDPは家計及び企業の所得の合計に等しいことになります。このことは、一人当たりのGDPとは、一人当たりの平均所得を意味することになります。GDPが向上しなければ、一人当たりの平均所得も向上しないことになるのです。しかし、日本企業の海外進出は、コストの面や今後の人口の減少という面からみても今後も増加していくものと思われます。日本企業の海外支出に伴う雇用機会の減少やIT技術の導入によって、雇用環境は厳しくなるかもしれません。

韓国も1997年に財政危機に瀕し、国が非常に厳しい状況に陥ったことで国民が目覚め、電機や自動車等で世界的な企業が出てきました。したがって、たとえ日本がダメになっても自分は生き残る、といったグローバル時代をたくましく生きる力が、今後の日本人に求められているのです(日経ヴェリタス11月5日~11日)。

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