第147回 簿記2級検定試験

第147回 簿記2級検定試験

第1問(仕訳)

1.有形固定資産 2.為替予約 3.クレジット売掛金 4.リース会計 5.ソフトウェア

第2問(仕訳)

合併及び連結会計

第3問(決算)

損益計算書の作成

第4問

本社工場会計

第5問

標準原価計算

私見等

作問者の能力の低下

今回の合格率はおそらく20%~25%の範囲でしょう。第1問の仕訳問題や第2問の連結問題で苦労された方も多いかと思いますが、第3問~第5問が比較的簡単であったため、合格率が10%台ということはないと思います。

しかし、ここ数年の検定試験問題を見ていますと、問題作成者の作問能力の劣化が見受けられます。作問能力の低い人は、仕訳で逃げる傾向にあるからです。今回の問題でも第1問及び第2問で仕訳問題が出題されました。第1問の(2)では為替予約、(4)ではリース会計といった改正項目が出題されています。改正項目については、当然過去の検定試験には出題されていないため、受験生が学習する上においても基本的な処理程度しか見ていっていないだろうと思います。テキストも基本的な処理程度しか説明していないでしょう。

しかし、今回の本試験では、為替予約の処理については売掛金の一部のみの予約となっていますし、リース会計の処理については、リース料の前払い処理の仕訳が求められています。また、他の仕訳問題も問題文を故意に難しくさせています。

仕訳問題を難しくするのは、簡単なのです。作問能力の高さはあまり必要ありません。しかし、検定試験問題では、問題そのものが美しくなければなりません。問題を解く人が、いい問題だなぁと感じる問題でなければならないのです。

実務重視の弊害

平成27年4月に日本商工会議所が公表した出題区分表の改定等についてという文章には、以下のように書かれています。

とりわけ今回は一般的な企業における近年のビジネススタイルや会計実務の動向を正面から直視することによって、検定試験がより昨今の企業活動や会計実務に即した実践的なものとなるよう、「区分表」等を大幅に見直し、出題項目の一部修正または追加を行いました。

学問上の簿記と会計実務上の簿記では、大きく異なります。学問上の簿記は論理的側面を追求するのに対し、会計実務上の簿記は、効率性を追求します。論理的側面の追求には、実務面から見ると無駄な部分も多々あるかもしれません。しかし、論理的な側面を追求することで勉強することの楽しさが生まれてくるのではないでしょうか。

実務重視ということから、おそらく試験委員は税理士等の実務家が作られているのだろうと思います。税理士等の実務家は、商業簿記に関しては詳しいかと思いますが、工業簿記については、あまり実務上、深く追求していないと思います。その影響もあってか、ここ最近の検定試験問題は、商業簿記と工業簿記の難易度が非常に乖離しています。問題内容の偏りは、検定試験という性質上、あってはならないものだと思うのです。

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