原価計算初級試験

原価計算初級試験の創設

日本商工会議所の発表によれば、今までの簿記検定試験に加えて「原価計算初級試験」を創設するとのこと。2018年4月より実施されるとのことです。創設趣旨では、今後重要性が高まってくる生産性向上のためには、自社製品やサービスのコストと売上、利益を正確に把握しておくことが必要であり、そのための「原価計算」という技術は今後必須となるスキルであるということが述べられています。

企業の人材育成ニーズに応えるため、現行の簿記検定試験(初級~1級)に加え、原価計算初学者向けの入門級として、原価計算の基本的な考え方や知識を理解・習得でき、企業人として原価意識の醸成に資する「原価計算初級」を創設し、平成30年度から施行することとする(日本商工会議所 原価計算初級試験の創設概要資料)。

出題範囲や出題内容等をみれば、原価の基礎概念、利益の計画と統制及び製品別期間損益計算という3つの柱で構成されています。利益の計画と統制には、CVP分析と予算実績差異分析が範囲内容に入っていることから、今ままでの簿記2級で学習するCVP分析の論点と簿記1級で学習する予算際分析の一部が試験内容に組み込まれることになります。

簿記の資格について

新しく創設される「原価計算初級試験」は、工業簿記という技術を学習せずに、原価計算という結果のみを求める試験になるのでしょう。しかし、製造業であれば工業簿記という技術の中で原価計算が展開され、商業簿記であれば商業簿記という技術の中で利益計算が展開されます。その点を考えれば、簿記の技術を勉強せずに原価計算の学習をするとか、損益計算書や貸借対照表の学習をするとかは、あまり考えにくいのです。

最近では、簿記の技術を身につけていなくても理解できる財務諸表の見方や活用の仕方に関する書籍がたくさん出版されています。しかし、財務諸表は、企業の取引を簿記という記帳技術に落とし込んで、それを元に財務諸表が作成されます。決して、企業の取引からダイレクトに財務諸表が作成されるものではありません。簿記の技術を身につけていなくては、財務諸表を正確に理解することはできないと思われます。

簿記という勉強は少し古くさく感じるかもしれませんが、とても重要でかつとても面白いものです。新しく創設される「原価計算初級試験」や、すでに新設されている「簿記初級試験」をきっかけにより一層、簿記の学習を進めていただければと思います。日本商工会議所も色々と工夫しながら簿記に興味を持ってもらおうと努力している姿勢がうかがえます。これからも頑張ってもらいたいと思います。

原価計算初級試験の創設について

 

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