第148回 簿記検定試験3級(合格率は30%後半か?)

第148回 簿記検定試験3級(合格率は30%後半か?)

お疲れ様でした。

簿記3級を受験された方、お疲れ様でした。手応えのほどはいかがでしたでしょうか?全体の難易度からすればむちゃくちゃ難しい問題ではなかったような気がしますが、第5問が精算表ではなく、財務諸表の作成問題が出題されましたので、おそらく合格率は30%後半台になるものと思います。

しかし、今回の試験では一般のテキストでは載っていないような問題が出題されました。最近の本試験の傾向である実務的な問題と言ってしまえばそれまでなんですが。。。

第1問の仕訳問題では、売掛金と買掛金の相殺に関する問題が出題されました。検定試験問題の内容を一部変えて示すと次のような問題です。

A社商店に対する買掛金¥300,000及び売掛金¥100,000の決済日について、A商店の承諾を得て両者を相殺するとともに、買掛金の超過額¥200,000を現金で支払った(第148回 簿記3級改題)。

買掛金 300,000 売掛金 100,000
現金 200,000

 

問題文の指示通りに処理すれば全く問題ない仕訳問題なのですが、過去の本試験にも出題されていない問題だったため、少し戸惑ったという方もいたのではないかと思います。

第5問の財務諸表作成問題では、次のような決算整理事項等がありました。これも一部改題で。

12月中に従業員が立替え払いした旅費交通費¥1,000が未処理であった。当店では、従業員が立替え払いした旅費交通費を毎月末に未払金として計上したうえで、従業員には翌月に支払っている(第148回 簿記3級改題)。

旅費交通費 1,000 未払金 1,000

 

一般のテキストでは、従業員が出張等に行く場合、概算額を仮払金a/cで処理し、その従業員が精算した際に仮払金a/cを消去させるとともに旅費交通費a/cを計上するという解説が多いように思います。上記のような後払い方式での処理方法は紹介もされていないでしょう。実務上では、上記のような交通費の後払い方式は、実務上、多いようですが、そのような企業でも遠距離への出張等であれば、概算額の前払いは行っているのでしょう(それでないと従業員が困ります)。

備忘記録1円

後、もう1点。。。同じ第5問ですが、固定資産について下記のような決算整理事項等がありました。

固定資産については、すでに昨年度において当初予定していた耐用年数を迎えたが、来年度も使用し続ける予定である。そのため本年度の減価償却は不要であり、決算整理前残高試算表の金額をそのまま計上すること(第148回 簿記3級改題)。

耐用年数終了後も固定資産を使い続ける場合、その存在を明らかにするために備忘記録として1円計上することになります。例えば、上記固定資産の取得原価が¥450,000、残存価額ゼロ、耐用年数5年であれば、毎期の減価償却費は、¥450,000÷5年=¥90,000が計上されることになりますので、決算整理仕訳として下記の処理を行います。

減価償却費 90,000 減価償却累計額 90,000

 

耐用年数の5年が経過した後、さらにその固定資産を使い続ける場合、耐用年数5年の最後の決算整理仕訳は下記のようになります。

減価償却費 89,999 減価償却累計額 89,999

 

上記の処理を行った結果、当該固定資産の取得原価¥450,000と減価償却累計額¥449,999が貸借対照表に計上されることになります。

今回の本試験では、上記の決算整理事項については、ただ単に決算整理前試算表の金額を解答用紙に写すだけで終わりです。個人的にはこのような論点を簿記の検定試験で出題する必要はあるのか疑問に思うのです。そもそも上記の例でいえば毎期の減価償却費を¥90,000計上していたにもかかわらず、最後の年だけ¥89,999を計上し、かつ、その後もその固定資産を使っているにもかかわらず減価償却費が計上されないというのは、会計の目的である適正な期間損益計算から外れているのではないでしょうか?

そもそも減価償却費は、固定資産を取得後、当該固定資産を売却したときに、それまでの価値の減少額を売却年度に一気に固定資産売却損とするのは、適正な期間損益計算の立場からおかしいというのが、出発点であったはずです。税務と会計はその目的が異なるにもかかわらず、実務を重視するという側面を簿記会計の試験で問うというのは、どうなんでしょうか?

将来的には、実務ではほとんどの企業がパソコン入力していますのでという理由から、簿記の試験がパソコン会計の試験に変わるかもしれません。

 

 

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