貸倒引当金の見積算定(金融商品に関する会計基準)

貸倒引当金の見積算定

債権の区分

受取手形や売掛金などの債権は、貸借対照表上、取得原価から貸倒引当金を控除した金額で計上されます。

受取手形、売掛金、貸付金その他の債権の貸借対照表価額は、取得原価から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とする(金融商品に関する会計基準14)。

貸倒見積高の算定に当たっては、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、債権を3つに区分し、それぞれの区分に応じて査定されることになります。

区分 内容(金融商品に関する会計基準27)
一般債権 経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権
貸倒懸念債権 経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権
破産更生債権等 経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権

 

一般債権の貸倒見積高の算定方法

一般債権については、債権全体又は同種・同類の債権ごとに、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見積高を算定する(金融商品に関する会計基準28(1))。

結論の背景

一般債権については、債権全体又は同種・同類の債権ごとに、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見積高を算定することができる。また、債務者が既に経営破綻等に陥っている場合には、個々の債権ごとに担保等により回収できない部分を貸倒見積高とすることが必要となる(金融商品に関する会計基準92)。

貸倒懸念債権の貸倒見積高の算定方法

貸倒懸念債権については、債権の状況に応じて、次のいずれかの方法により貸倒見積高を算定する。ただし、同一の債権については、債務者の財政状態及び経営成績の状況等が変化しない限り、同一の方法を継続して適用する。

① 債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法。

② 債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、債権の元本及び利息について元本の回収及び利息の受取りが見込まれるときから当期末までの期間にわたり当初の約定利子率で割り引いた金額の総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高とする方法(金融商品に関する会計基準28(2))。

結論の背景

貸倒懸念債権については、一般債権と破産更生債権等の中間に位置し、個々の債権の実態に最も適合する算定方法を採用することが必要である。このため、貸倒懸念債権に係る貸倒見積高の算定方法としては、担保の処分見込額及び保証による回収見込額を考慮する方法の他、元利金の将来のキャッシュ・フローを見積ることが可能な場合、元利金のキャッシュ・フローの予想額を当初の約定利子率で割り引いた金額の総額と当該債権の帳簿価額の差額を貸倒見積高とする方法を示し、債務者の状況や債務返済計画等が変わらない限り、いずれかの方法を継続して適用することとした(金融商品に関する会計基準93)。

破産更生債権等の貸倒見積高の算定方法

破産行使債権等については、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする(金融商品に関する会計基準28(3))。

なお、破産更生債権等の貸倒見積高の処理について

破産更生債権等の貸倒見積高は、原則として、貸倒引当金として処理する。ただし、債権金額又は取得原価から直接減額することもできる(金融商品に関する会計基準(注10))。

 

 

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