ロジカルシンキングを身に付けるためのお薦め本

ロジカルシンキングのためのお薦め本

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングとは、もともと経営コンサルタント業界から発信された言葉であり、顧客に対してある提案を行う際、顧客から反論ができないような導線を作り上げる技術のことをいいます。例えば、顧客に対してCという製品を提案したときに、顧客にとってこの製品Cを使うことが大きなメリットを生み出すことを説明しなければなりません。そのためにAの事象→Bの事象→製品Cという導線を考えた場合、その導線以外、最適なものはないと相手に思わせる必要があります。Aの事象→Bの事象→製品Dまたは、Aの事象→Bの事象→製品Eという導線が可能であれば、顧客に対して製品Cを提供することの説得性が下がってしまうからです。

ロジカルシンキングの技術として取り上げられるのが「MECE(ミーシー)」と、「So What?」、「Why so?」です。「MECE(ミーシー)」というのは、「モレなくダブりなく」ということで、先ほどの製品Cの提案の例でいえば、Aの事象、Bの事象以外にFの事象があれば、それは事象がモレていることになりますし、B’という事象があれば、それはBの事象とダブっていることになります。

また、「So What?」は「だから、どういうことなの?」と問いかけることであり、「Why so?」は、「なぜ、そうなるの?」と問いかけることを意味します。先ほどの製品Cの提案の例でいえば、Aの事象→Bの事象への流れは適切なのかを判断することが「So What?」であり、Bの事象→Aの事象に戻り、それが適切なのかを判断することが「Why so?」になります。

必要なのは、日本語の再学習

我々一般の人は、ロジカルシンキングの本やセミナー等を通じて、「MECE(ミーシー)」や、「So What?」、「Why so?」という技術を勉強するわけですが、そもそも、「MECE(ミーシー)」という「モレなくダブりなく」という技術も人によっては、Aの事象、Bの事象のみで完結する人もいれば、Aの事象、Bの事象、Eの事象、Fの事象と次々と事象が出てくる人もいます。また、Aの事象とA’の事象がダブってないと感じる人もいれば、いや、ダブっていると感じる人も当然出てきます。「So What?」、「Why so?」も同じように、Aの事象→Bの事象、Bの事象→Aの事象という流れが適切と感じる人もいれば、いや、適切ではないと感じる人もいるのです。何が言いたいかと言えば、そのような技術を学んでもロジカル(論理的)なシンキング(思考力)は身につかないということです。

野矢茂樹さんの新版論理トレーニングの序論の中で次のように述べておられます。

論理力とは、思考力のような新しいものを生み出す力ではなく、考えをきちんと伝える力であり、伝えられたものをきちんと受け取る力にほかならない。つまり、論理力とはコミニュケーションのための技術、それゆえ言葉的能力のひとつであり、「読み書き」の力なのである。

最近は、英語を社内公用語とするような会社も増えてきているようですが、それでも、通常は、日本語で考え、日本語で物事を伝えます。そのような中で上記のような「MECE(ミーシー)」や、「So What?」、「Why so?」といったアメリカ生まれの技術で物事を適切に伝えられるとは思えないのです。では、どうすればいいのか?その答えとして野矢茂樹さんが次のように述べておられます。

それは日本語を語学として再学習することでもある。日本語という、すでに習熟し、分かっているつもりのものを練習させられるのはなかなかつらいかもしれない。しかし、これま論理トレーニングを実際に大学等で教えてきた私の経験からすると、みんな案外ちゃんとわかっていないのである(新版論理トレーニング)。

結論が最後になってしまいましたが、ロジカルシンキングを身に付けるためには、ロジカルシンキングに関するビジネス本ではなく、日本語を再学習する必要性から、野矢茂樹さんの「新版論理トレーニング」をお薦めします。

 

 

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