小口現金

小口現金

定額資金前渡制度(インプレスト・システム)

企業において金銭の管理を行っているのは、経理部になります。各部署で日常生じる少額の金銭等の支出についても、金銭の厳密な管理をする上においては、すべて経理部を通すシステムを採用すべきですが、その場合、例えば、営業部の社員が営業のための交通費を請求するためには、一旦、経理部に行き、担当者から金銭を受け取る必要がありますし、広報部の社員が仕事上、必要な文房具を購入するためには、一旦、経理部に行き、文房具代の金銭を受け取る必要があります。

上記のような方法は、金銭の厳密な管理という側面からは非常に優れているのですが、仕事の業務遂行という面から非常の非効率となります。そこで、金銭的にそれほど多額でないものについては、各部署で金銭を管理する方法を採用することがあります。その場合、各部署に用度係小口現金係ともいいます)を設け、その用度係が各部署で発生する少額の金銭の支出を管理します。

通常、用度係を通じて各部署の支払業務を管理する場合、一定額の金銭を経理部から用度係に前渡しする定額資金前渡制度インプレスト・システム)を採用します。

具体的な会計処理

【例1】7月1日(月)に当店は、定額資金前渡制度(インプレスト・システム)を採用することになり、会計係は、用度係に対し、前渡し資金として10,000円の小切手を振り出した。

借方科目 金額 貸方科目 金額
小口現金 10,000 当座預金 10,000

 

会計係が小切手を用度係に振り出したことにより、当座預金a/cが減額します。しかし、振り出した小切手10,000円は用度係が現金に換金し、それを管理することになるため、単に金銭の保管場所が銀行から用度係に変わっただけになります。そこで、用度係が管理している金銭については、資産の勘定である小口現金a/cで処理されます。

【例2】用度係は、切手代として3,000円、営業のための電車賃として4,500円、文房具代として2,000円の支出を小口現金から行った。

用度係が支払業務を行ったときは、会計係はその詳細をまだ把握していませんので、仕訳することができません。一定期日後に用度係から報告を受けたときに、仕訳を行います。なお、用度係は、支払業務の内容を小口現金出納帳という帳簿に記録しなければなりません。

【例3】7月5日(金)に会計係は、用度係より小口現金に関する支払業務報告(切手代3,000円、電車賃4,500円、文房具代2,000円)を受けた。

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 3,000 小口現金 9,500
交通費 4,500
消耗品費 2,000

 

会計係は、用度係から報告を受けることで、小口現金がどのように使われたのかを知ることが出来るため、その段階で仕訳を行います。切手代は、通信費a/c(費用)、電車賃は交通費a/c(費用)、文房具代は消耗品費a/c(費用)で処理します。

【例4】7月8日(月)に会計係は、先週使用した分の小口現金9,500円について、同金額の小切手を用度係に振り出し、小口現金の補給を行った。

借方科目 金額 貸方科目 金額
小口現金 9,500 当座預金 9,500

 

【例5】仮に用度係が報告を受けたのと同時に使用分と同額の小切手を振り出して小口現金の補給を行った場合には、下記の仕訳になります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 3,000 当座預金 9,500
交通費 4,500
消耗品費 2,000

 

上記【例5】の仕訳は、下記の仕訳を合算したものとなります。

(1) 用度係から報告を受けたとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 3,000 小口現金 9,500
交通費 4,500
消耗品費 2,000

 

(2) 用度係に小切手を振り出して小口現金を補給したとき

借方科目 金額 貸方科目 金額
小口現金 9,500 当座預金 9,500

 

上記(1)と(2)の小口現金a/cが相殺されます。

 

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