週刊エコノミスト「役立つ会計」

新基準が分かる 役立つ会計

今週号の週刊エコノミストは「新基準が分かる 役立つ会計」という特集であったため、興味深く読ませていただきました。といてもそこは週刊誌です。「新基準が分かる」というよりも「新基準の概要が分かる」といった方がいいかもしれません。

現在、日本では、3つの会計基準が存在しています。その3つとは「日本基準」、「米国基準」、「国際基準(IFRS)」です。記事によりますと、上場している企業のうち「日本基準」の採用企業数は約3,400社、「米国基準」の採用企業数は約20社、そして「IFRS」の採用企業数は約160社とのことです。

今週号の週刊エコノミストには、「リース基準変更の波紋 実務煩雑化で対応急ぐ企業」、「楽天会計マジック 非上場株式評価益で利益かさ上げ」だとかの記事が掲載されています。

リース取引の会計処理

リース取引の会計処理については、オペレーティング・リースについては、現在の日本の会計基準では、支払ったリース料を費用として計上するのみで、リースで受け入れたリース物件を資産として計上する必要はありません。しかし、IFRSでは2019年より、オペレーティング・リース対象物についても資産計上が必要となります。

リース取引は、固定資産を取得する際、購入すると多額の資金を必要とするのに対して、毎期のリース料の支払いで済むとことや、リース物件の保守管理も基本的にリース会社が行ってくれるため、事務的手続きが非常に簡便化されるなどのメリットあります。そのような理由から多くの企業がリース取引を利用しています。

リース取引は、会計上の観点からは、ファイナンス・リース取引オペレーティング・リース取引に分類されます。ファイナンス・リース取引は、リース取引に関する会計基準において、次のように定義付けされています。

「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引をいう。(リース取引に関する会計基準5)

なお、オペレーティング・リース取引はファイナンス・リース取引以外のリース取引のことをいいます。

ファイナンス・リース取引はさらに所有権移転ファイナンス・リース取引所有権移転外ファイナンス・リース取引に区分され、当初は、所有権移転ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を行うこととされており、所有権移転外ファイナンス・リース取引については、実務面を考慮し、通常の賃貸借取引に準じた会計処理が例外的に認められていました。

しかし、2008年4月1日以後開始する事業年度からは、改定されたリース会計基準のもと、所有権移転外ファイナンス・リース取引についても例外処理が廃止され、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理のみとされました。

オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととされていますが、IFRSでは2019年より、オペレーティング・リース対象物についても資産計上が必要となることを踏まえ、日本の会計基準を作る「企業会計基準委員会」は、6月より基準改定を進めるかについて検討を開始したようです。

リース事業協会は、オペレーティング・リース取引の会計処理をIFRSに合わせる必要はないとの提言書をホームページにアップしています。それらしい理由が述べられていますが、結局は、会計処理の変更に伴い、リース利用者の減少を危惧してのことでしょう。

結局のこと問題の根源は、日本の上場企業が採用する会計基準が単一ではなく、複数選択できるということにつきると思います。日本基準、米国基準そしてIFRSという基準が採用できることが問題なのではないでしょうか?

週刊エコノミストの記事にも、野村総合研究所の三井千絵・上級研究員の下記コメントを掲載しています

複数基準の混在は投資家も含めた関係者の不利益となる。IFRSを一度適用し始めたのであれば、金融庁は強制適用を検討すべきだ。

 

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