運転資金を理解しよう!

本当に運転資金を理解していますか?

運転資金って本当に理解していますか?解説本などには、運転資金とは、通常の営業活動において必要とされる資金のことと説明され、そして、運転資金の所要額として、下記のような計算式が紹介されています。

運転資金の所要額=売上債権+棚卸資産-仕入債務

上記の計算式の説明として、「運転資金は、資金の回収がまだなされていない売上債権と棚卸資産の金額を合計し、資金の支払いがまだなされていない仕入債務を差し引くことによって計算されるのです。」といったような説明がされています。また、「運転資金は、事業を継続して行うために必要な立替金」といった説明がされていることもあります。

売上債権とは、商品などを販売し、後日、金銭を受け取る権利を表すもので、会計上では、受取手形や売掛金といったものが該当します。棚卸資産とは、商品、製品などのことをいい、仕入債務は、商品などを購入し、後日、金銭を支払う義務を表すもので、会計上では、支払手形や買掛金といったものが該当します。また、立替金は、立て替えたことにより、後日、金銭を受け取る権利を表します。

通常の営業活動において必要とされる資金を意味する運転資金が、「資金の回収がまだなされていない売上債権と棚卸資産の金額を合計し、資金の支払いがまだなされていない仕入債務を差し引くことによって計算される。」といった説明で本当に理解できるのでしょうか?多くの方は、運転資金について本当に理解していないにもかかわらず、とりあえず「運転資金の所要額=売上債権+棚卸資産-仕入債務」といった計算式を暗記し、なんとなくわかったつもりになっているのではないでしょうか?私自身、運転資金についての解説本などを読んでも、全く理解できませんでした。

運転資金のわかりやすい解説

運転資金についてわかりやすい解説をしていきたいと思います。ただ、簿記の仕訳が登場しますので、簿記3級程度の知識があることを前提として解説しています。

〈例〉(1) 1個100円の商品を2個掛けで購入した。 (2) 1個100円の商品を1個150円で掛けで販売した。この2つの取引を仕訳で示すと次のようになります。仕訳は便宜上、売上原価対立法で示します。

(1) 1個100円の商品を2個掛けで購入

商品 200 買掛金 200

 

(2) 1個100円の商品を1個150円で掛けで販売

売掛金 150 売上 150
売上原価 100 商品 100

 

上記(1)、(2)の仕訳の結果、売上債権(売掛金)は150円、仕入債務(買掛金)は200円、棚卸資産(商品)は100円となっています。

掛けで商品を購入するというのは、銀行から金銭を借り入れて、商品を現金で購入することと同じですので、上記(1)の仕訳は下記のように示すことができます。

現金 200 借入金 200
商品 200 現金 200

 

また、掛けで商品を販売するというのは、商品を現金で販売すると同時に、その受け取った現金を相手に貸し出すことと同じですので、上記(2)の仕訳は下記のように示すことができます。

現金 150 売上 150
貸付金 150 現金 150
売上原価 100 商品 100

 

必要な部分を抜き出すと、下記の仕訳を考えることができます。

① 銀行から現金200円借りてきた。

現金 200 借入金 200

 

② 得意先に現金150円を貸し出した。

貸付金 150 現金 150

 

①の借入金は、銀行からの借金ですので、後日、200円の金銭を支払う必要があります。また、②の貸付金は、得意先に対する融資額ですので、後日、150円の金銭を受け取ることができます。200円から150円を差し引くと50円が手許に残っています。しかし、棚卸資産として保有しなければならない商品の金額は、100円ですので、このままでは50円足りません。つまり、50円は、もともと保有しておかなければならない金額と考えることができます。まさしくその金額が、運転資金の考え方なのです。

運転資金の図

 

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