三菱UFJ銀行新卒採用数を45%削減

メガバンクの採用人数抑制

2020年卒業の学生を対象とした就職人気業界ランキングでは、2009年の調査開始から18年まで志望業界で首位を保ち続けた銀行が、8位に後退しています。

順位 業界(カッコ内は前年順位) (%)
医薬品・医療関連・化粧品(6) 18.5
食品・水産(2) 17.7
素材・化学(9) 17.2
調査・コンサルタント(3) 16.8
情報・インターネットサービス(5) 16.7
電子・電機(12) 15.8
総合商社(7) 14.6
銀行(1) 14.5
情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト(10) 14.0
10 建設・住宅・不動産(11) 13.8
※2020年卒業の学生が5つまで選択 出所・ディスコ

 

1日の報道では、三菱UFJ銀行が令和2(2020)年4月入社の新卒採用を前年比45%減の約530人としており、みずほフィナンシャルグループでは今年4月に入行した700人から約2割減少し、三井住友銀行は600人の計画で、667人から約1割減少となることと合わせて採用数は4年連続で減少することになりました。

日本の銀行の営業店舗は、顧客と接するフロントラインと、その後方で事務処理を担当するミドル、バックという三層構造で成り立ってきた。このうち、ミドル、バックをデジタル化で省力化するというのが、3メガバンクグループに共通する戦略ではある(銀行員はどう生きるか (浪川 攻著)P.185)。

デジタル技術は、今後ますます進歩していくのは確実であるため、単純な事務処理は次々と機械に置き換え、人手による作業を大幅に減少していくことは間違いありません。

今回は事務業務の圧縮という話にとどまっているが、モバイルバンキングの利用率がさらに高まり来店客数が減り続ければ、それに応じて店舗の人員規模はますます縮減される。欧米の軽量店舗のように、銀行員はわずか数名という店舗が続出するという話である(銀行員はどう生きるか (浪川 攻著)P.188)。

企業の利益は収益から費用(コスト)を差し引いて計算されます。収益がこれからも一定であれば、コストを削減することで利益を増加させることができます。しかし、コストの削減には限度があります。そのため、利益を増加させるためには収益を増加させなければなりません。そのためには従業員一人一人の生産性の向上が今まで以上に望まれます。

真に顧客のためになる提案ができるか。― 日々、自らの能力を試しながら、自分の将来を切り拓く職業になっているからだ。これは、見栄ではなく、やりがいを重視する者には魅力的な職業のはずである(銀行員はどう生きるか(浪川 攻著)P.198)。

従来、銀行は安定性と給与の高さが魅力でしたが、今後は安定性からは程遠くなる職業となります。しかし、それは銀行だけのことではなく、すべての業界についても言えることではないでしょうか。生産性を向上させるということは、自分自身の仕事上の価値を向上させるということに他なりません。

銀行が激変するなかで、銀行員の職場環境も社会的な立場も変わる。安定も失われるだろう。しかし、銀行本来の役割は何ら変わらない。それを強く意識せず人員削減のみで胸を張る程度の浮ついた経営者は人工知能に替わればよいが、顧客とともに悩み考える銀行員は、いかにすぐれたIT技術でも代替できない(銀行員はどう生きるか(浪川 攻著)P.203)。

 

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